ぽんぽこぽん、


かんからかんかん、


がちがち、がちがち。



山車に乗った、面を付けた子供が、太鼓と笛を鳴らす。


同じ台の上を、獅子舞が大きな体をそれ以上に揺らして、舞う。


父親の肩に乗った子供は悲鳴とも喜声とも取れる声を上げ、


獅子舞は、また歯をならす。



がちがち、がちがち。






驚くほどに静かになった祭りの後の道路に残されたのは、


ゴミ屑と、未だにたむろする若者達と、来年の夏を待つ山車。


静かになった山車の上で、静かに獅子舞がその仮面を外す。


汗に濡れた髪をかき上げながら、男は不適に、格好付けたように、笑う。


祭りは、好きだ。


そう呟くと、その近くで、 お前何カッコつけてんだ、と野次る友人の声がした。